フランスの学校では、8週毎に2週間の休暇があります。今年の秋休みは、フランス南西部ドルドーニュで過ごしました。「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」として1979年に世界遺産登録されました。ちょうど、お兄ちゃん(6歳)が学校でラスコーの勉強をしているということで、家族で世界遺産のラスコーを見学することにしました。

現在ラスコーⅠの実際の洞窟は、保存のために立ち入りが禁止されています。フランスで見られるのラスコーⅡと2016年にオープンしたラスコー国際壁画センター(ラスコⅣ)です。洞窟が完全に再現されガイドの案内とともに見学できるようになっています。自由入場は、できないないのでガイドの事前予約が必要です。ちなみにラスコーⅢは、ポータブルバージョンとなっており世界を回っています。
フランス語のガイドがもちろん多いのですが、英語のガイドの時間もありました。英語のガイドが必要な方は早めに予約をする方がいいと思います。
私たちは、朝一番の9時のガイドに参加しました。美術館自体が9時からオープンなので少し外で待ちましたが、9時の開館とともに館内アナウンスがながれチケットをチェックされ、ひとりづつヘッドフォンを配られガイドのお姉さんの案内に基づき、完全に再現された洞窟へと案内されました。

本物が見えない悲しさはありますが、200メートルほどの洞窟に約二年前のクロマニヨン人が描いたロマンを感じることができました。子供たちは、薄暗い洞窟を動物の形をさがして、冒険を楽しんでいました。ちゃんと質問もできました。
午前中、ラスコーⅣの見学を終えた私たちは、そこから10分ちょっと車で走ったところにあるParc du Thotという小さな動物園に向かいました。
この動物園では、鹿やバイソン、オーロックス、灰色狼などの動物に出会えます。事前予約が必要ですが、ここはいくつかのアトリエを子供たちが体験することができます。

今回お兄ちゃんと、弟君が体験したのは、5歳から参加可能のクロマニヨン人の絵画技法を学ぶ。という、アトリエでした。アニメーターのガイドのもと、先史時代の画家の材料とノウハウを発見し、洞窟と同じように壁画を描くというものです。

1時間ほどのアトリエでしたが、大変楽しくできました。ラスコーⅣでガイドのお姉さんが教えてくれた壁のフォームを考えて動物を描くということもきちんと覚えていました。
二人の作品は、こちらです。


5歳から参加できるアトリエは、壁画を書くものだけでしたが、7歳からは『考古学者になろう』。考古学的な古典的な技法を学んで、考古学者の体験ができるアトリエや、クロマニヨン人たちが使っていたランプを作るアトリエ、12歳からは、クロマニヨン人のように皮をつかった革細工や、骨や小さな皮でアクセサリーを作るアトリエなんかがありました。
見るだけはなく参加できるのは本当に大きなことですね。
偶然ですが、ちょうどこの旅行の前にDisney+で『アイス・エイジ』の映画をみていたので
お兄ちゃんは、学校でラスコーの壁画について少し勉強していましたが、弟君も

これアイス・エイジのヤツだ!!
実は、『アイス・エイジ』の映画の中でマンモスの壁画が出てくるシーンがあるんですね。『アイスエイジ』は、氷河期の動物たち、マンモス、なまけもの、サーベルタイガーのお話です。今は、映画のシリーズは、6つ出ていますが、唯一この初代のアイスエイジには、クロマニヨン人が出てきます。いろいろなものが子供たちの中で繋がってより深く理解できたんじゃないかと思います。
見て、学んで、体験して、とても良い秋休みの体験になりました。
ラスコⅣとParc du Thot入場料はどちらもちょっと高かったけど、大きな学びのある旅になりました。
車でパリから4時間、ボルドーから1時間ちょっと、リヨンから4時間行くまでのなかなかハードルが高い場所ですが子供たちの知的好奇心を高める良い旅になりました。
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