長男がフランスの学校でCP(日本の小学校一年生)になり、学校のシステムや内容があまりにも日本と違うのでビックリすることも多いです。
この記事では、これからフランスに駐在や移住予定のある方、フランスの生活に興味がある方にフランスの小学校と日本の小学校の違いをお伝えしたいと思います。
- 休みが多いバカンスだらけ 水曜日がお休み 週休3日
- お昼休みが2時間(お家に帰ることもできる)
- 入学式、卒業式なし
- 同じクラスにいろいろな年齢の子がいる
- 教科書がない
- 職員室、音楽室、理科室、調理室、保健室、放送室、プールありません
- ストライキがある
休みが多いバカンスだらけ 水曜日がお休み 週休3日
うちの子が通う公立のフランスの学校ですが、昨年度までは、水曜日は午前中授業があったのですが、今年度から水曜日がお休みになりました。隣の市では、今年度も水曜日の午前中の授業があるので市によって学校週休2日と3日とあるようです。
週休3日になったので、学校へ行く月曜、火曜、木曜、金曜は、昨年度からそれぞれ朝が15分早くなり、下校時間は30分遅くなりました。8時30~16時30です。
フランスでも習い事をしている子供たちは多いですが、このお休みの水曜日に集中しています。
習い事についても別に記事を書いたので、読んでみてください。
フランスでは、共働き両親が多いですが、この子供がお休みの水曜日をどのようにしているかといういうとCentre de Loisirs(通称ソントル)といって市が運営している学童のようなものがあって、1日中子供を預かってくれます。勉強は、しなくていろんなアクティビティをして楽しむので子供たちは、大好きです。
さらに、週4日働いて水曜日お休みにしているお父さん、お母さんもいます。常に家族ファーストの考えのあるフランスならではですね。
ちなみにバカンスも多いです。
時期 | 期間 | |
10月~11月 | 2週間 | バカンス ド ラ トゥッサン Vacances de la Toussaint |
12月~1月 | 2週間 | バカンス ド ノエル Vacances de Noël |
2月~3月 | 2週間 | バカンス ディヴェール Vacances d’hiver |
4月~5月 | 2週間 | バカンス ド プランタン Vacances de printemps |
7月~8月 | 2か月 | バカンス ド ノエル Vacances d’ete |
6~7週間ごとに2週間のお休みがあります。そして、夏休みは2か月ほど。
やはりこのバカンスにもCentre de Loisirs(通称ソントル)は、活躍してくれます。
入学式、卒業式、節目の式典がない
入学式も卒業式もありません。9月の新学期には、クラス割の表が張り出されて、自分のクラスに入るだけです。もちろん運動会や音楽会、参観日もないので学校の敷地内に親が入るチャンスはなかなか限られます。
子供たちが学校のでどのような感じなのかを見ることができないのは少し寂しいです。
でも、個人面談を直接担任の先生にお願いすることはできます。日本の学校のように決まった時期に個人面談が行われるわけではないので、先生にお伺いしたいことがある時や先生に話がある時に、保護者の方から自主的に個人面談のお願いをします。
逆に子供の行いに何か問題があるようなときは、担任の先生から保護者が呼び出されることはあるようですがそれは日本でも同じですね。
もうひとつ、子供の子供たちの学校生活を覗けるチャンスがあります。市の図書館に行くときや課外活動、プールの授業には子供の数に対して大人の引率の人数が決まっています。そのようなバスを使って行く課外活動にボランティアとして引率することができます。
授業の様子とは違いますが、子供たちの関係性とか先生のと子供の様子などが見れる良いチャンスです。

お昼休みは2時間
お昼の時間は2時間です。各教室は、閉まってしまうので子供たちは食堂でご飯を食べます。日本の学校のように先生が生徒と食事をとることもありません。お昼休みは、先生にとってもお休みの時間だからです。フランスの先生は、授業をするのが仕事です。授業が終わったら生徒と同じタイミングで帰宅する先生もいます。
食事の時間は、先生とは別の市の職員が子供たちの食事のお手伝いをします。給食係もいないので生徒が配膳するようなこともありません。学校給食で出されるメニューは、フランス式で前菜+メイン+デザートです。いろいろな生徒が食べるので、ベジタリアン、肉を使わない(魚はOK)などいろいろなメニューが選べます。
このランチタイム、給食を食べなくて家に帰ってご飯を食べることもできます。うちの子たちは、お兄ちゃんが月曜日にお家でご飯を食べ、弟君は木曜日にお家でご飯を食べるようにしています。
なかなか兄弟がいると一人一人に向き合う時間をとるのは難しいですが、2時間もあるので、お家でゆっくり一対一で話をするチャンスになって日本語の学習のサポートもしやすいです。
同じクラスにいろいろな歳の子がいる
フランスでは、学年の縛りが1月~12月生まれで基本的に同じ年に生まれた子が同じ学年になります。クラスに一人か二人ぐらいの割合で飛び級して一学年上の学年にいる子、逆にもう一年同じ学年を繰り返す留年している子がいます。
さらに一つのクラスに違う学年が混ざっている複式学級もよく見られます。お兄ちゃんのクラスでは、小学校1年生、2年生、3年生の生徒が同じクラスです。3学年の複式学級は、フランスでも結構驚かれるので珍しいのかもしれません。
算数が大好きなお兄ちゃん(1年生)は、2年生、3年生の上の学年の算数を盗み聞きして筆算や掛け算を自主的に先取している様子です。
共通の教科書がない
CP(1年生)では、国語(フランス語)と算数がメインの授業になりますが、どちらも教科書がありません。
CP(1年生)の1年間で複雑なフランス語の読み方を徹底てきに学習するようです。毎日ノートにのりで1枚ずつ新しいフランス語の読み方が張り付いてきます。そのノートを読むのがだいたいその日の宿題です。
フランスの学校では1年の間に学ばなければいけない内容というのは、全国共通であるのでしょうが、それをどう学習していくのか、教材はなにか、すべて担任の先生が決めます。
国語(フランス語)、算数だけでなく他に学ぶことも担任の先生次第です。すごくやる気のある先生だど、課外活動やいろいろなことを学ぶチャンスがありますが、そうでもない先生だと淡々と国語(フランス語)、算数をこなしていくことになります。
もちろん日本でも先生の当たり外れ的なことはあるでしょうが、教科書は全部同じだし、学ぶことの内容に差が出ないようにされていると思います。
お兄ちゃんのクラスは、国語(フランス語)と算数の授業の他にプールの授業があったり、英語や中国語の授業があったり、なにか盛りだくさんですが、となりの同じくCP(1年生)のクラスは、プールの授業もナシ、外国語の授業もなしということで内容にかなりの差を感じました。
職員室、音楽室、理科室、調理室、保健室、放送室、プールありません
日本の学校にはあるのにフランスの学校にないものだらけです。
職員室ありません。各教室が、各先生の部屋になっています。先生たちが一斉に集まるような場所はありません。
音楽室ありません。学校にはピアノもありません。子供たちの学校では、市の音楽学校から週1回音楽の先生がギターやフルートを持ってきて音楽の時間があります。もちろん、音楽会もありません。ただ、生徒がピアニカやリコーダーを購入しなくてはいけないようなこともありません。
その代わり学校外での音楽の習い事の、種類の量やシステムは流石フランスと感じます。
理科室や調理室もありません。まだ、CP(1年生)なので理科の実験とかないので、どのように行われるかわかりませんが、理科室はありません。
調理室もありません。ただ、クリスマス前にクラスでクッキーを作ったりしているので食堂を利用して調理実習をしているようです。
保健室もありません。一度お兄ちゃんが具合が悪くなってお迎えの連絡が来た時には、食堂で休ませてもらっていました。
体育館も日本のそれとは大分ちがいます。そもそも、入学式も卒業式も、もちろん始業式もないので全校生徒が集まるような機会がありません。体育館も室内で運動ができる程度のものです。
放送室もありません、そもそもないものが多すぎて学校の規模自体が凄く小さいです。あるのは各教室、体育館と食堂です。全校放送のようなものも必要なさそうです。
プールの施設はありません。そもそもプール授業があるのかないのか、担任の先生次第です。プールの授業がある場合は、バスを借りて市営のプールに行きます。この冬、息子が学校で行く予定の市営のプール2メートルぐらいの深さで大人も立てません。いったいどのような授業が行われるのか、期待と不安です。
というわけでフランスの学校を見ると、維持費も経費も日本に比べると相当安いんじゃないかなっと思います。

ストライキがある
ここまで、日本の学校にあってフランスの学校にないものをたくさん紹介してきましたが、次は、フランスの学校にあって日本の学校に絶対ないもの紹介です。
フランスの学校(公立)ではストライキがあります。
先生がストライキするのでクラスがお休みになります。という、連絡メモが突然来ます。
ストライキする先生のクラスだけお休みになるので、隣クラスでは普通に授業を行われていたりします。共働き両親が多いのですが、この「不測の事態」に慣れているので、会社に子供を連れて行ったり、在宅で子供を見ながら仕事をしたり、お休みしたり…。困ったなぁという親はもちろんいますが、流石なのか、ストライキに不満を言っている保護者はいません。そういう主張をすることが許されているということですね。

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